盛岡の中心地・肴町商店街。
観光スポットでもない生活圏の、ごく日常の風景にこんな素敵建築がひょっこり現れたりします。
閉店して久しい「小原写真館」。
看板建築とはいえ、角地に建っているので側面まで装飾がしっかり施されています。人魚のレリーフや右上の装飾がアールデコっぽい。盛岡で東京都庭園美術館のような(?)アールデコ風装飾を目にするとは思いませんでした。
写真館に行くのが特別なイベントだった時代の華やかな気分を、垣間見られるような店舗建築。
小原写真館の斜め向かいにある「平船精肉店」。
精肉店としての創業は昭和35年ですが、建物自体は明治34年に2階建として建てられ、大正6年に3階部分が増築された由。
大正8年年頃の写真
(盛岡市肴町商店街振興組合HPから引用)
大正8年、「うなぎの細川屋」として営業していた当時の写真が見つかりました。盛岡のミニコミ誌『てくり』(第21号)によると、平成21年に当時の店主が大家さんに掛け合って建物を購入し、翌22年に改修工事をしたところ、なんと翌年に東日本大震災が発生したとのこと!危ないところでしたね…。
私の子どもの頃は、長岡市にもこんな「まちのお肉屋さん」がいたる所にあったなあ。なつかしい風景です。
名物のローストチキン。この一角は香ばしい匂いが漂い、親子連れが並んでいましたね。おいしそう~~♪
築百年超の建物が現役で、地元の生活に密着して愛されている商店街なんて、うらやましいです。しかも、撮影時は地元の人たちが何組か並んでいたのに私がカメラを構えている間、邪魔にならないように空けてくださったんですよ。自分が同じ状況だったら、こんなさりげない配慮ができるのかな…と考えさせられました。